主観が入るところがSBMの面白いところだよね。

http://d.hatena.ne.jp/shiroann/20080627/1214495914」を読んで、エントリの趣旨とはズレてるけど思ったこと。


これはひどい」とかがつくのは比較的ニュースサイトのようなところが多いので余り意識していなかったのですが、個人のブログとかでつくと結構ショックかもしれないなあと思います。また、ネガコメだと参考にもできますが、タグだけだとどうしようもないですよね。


個人的には主観の入ったタグはなるべく入れたくないので、「これはひどい」はもちろん「これはすごい」や「参考になる」*1みたいなタグは使っていないのですが、人気のエントリーなどに載っている記事の内容が一目でわかるという意味ではお世話になっています。
でも、「これはすごい」とかついてる記事もモノによってはぜんぜんすごくない記事もあるわけで、SBMの本来の役割であるフォークソノミー的な意味では役に立ってないんですよね。


もともとWebは圧倒的多数のROMによって成り立っているのですが、記事やコメントを書くコストに比べると、制限がある分ブクマのコストは低くなりますので、SBMはそういったROMを浮上させたところがすごいところだと思っています。
制限のある手段なので、言葉から余分な要素を取り除く必要があります。そのため、感情的な言葉なら歯に絹を着せぬものになってしまいます。感情的な言葉はいくつも思いつくのですが、SBMだと性質上既存のタグの枠に当てはめる傾向があるので、ある程度画一的な表現がなされています。*2
感情的タグやコメントが集まった結果、そのブクマの集合が何か一つの意思を持っているように見えることもあります。


こういう感情的なタギングは人間にしかできないわけで、そういうところが面白いなあと思っています。機械が自動でタグ付けするような研究はいくつかあるのですが*3、主観的なタグをつけることはほぼ不可能です。この機械にできないことを、タグというシンプルな表現でたくさんの人が集まってやっているのです。
一部の人しかこういう主観的なタグは使ってないかもしれないけど、読み手の感情の集合を定量的に見ることができる手段は本や新聞のようなメディアへの反応としては存在しなかったものだと思うので、書き手としてどう受け取るべきかは思案するべきところになりそうです。

*1:ブクマしてる時点で参考になってるんじゃないのかな?

*2:そういう意味で最初ニコニコ動画のタグの付け方を見て驚いた

*3:検索エンジンもある種これに分類してもいいかも